2024.9.19

店主の小咄 vol.9 | レコードの魅力

【 黒川詠司・ギャラリー黒川 】

このような「ブログ」というものを書くのが初めてで、一体何を書こうかと考えたら、音楽の話が真っ先に思い浮かんだので書いてみることにしました。 

私はレコード蒐集が趣味で、特に1950年代〜1990年代の洋楽、邦楽などが好きで子供の時から好んで聴いています。
レコードで聴くと、デジタルなどでは味わえない暖かい音がとても心地よく感じます。

その中でも、初期のレコードを蓄音器で聴くと凄いことになります。

蓄音器で78回転盤を聴く様子。手前の取っ手の部分でぜんまいを回すと、レコードを置いたターンテーブルが回り、そこに針をゆっくり落とすと音が出るという作り。 1957年のリトル・リチャードの「Lucille」を再生中。 爆音。

▲蓄音器で78回転盤を聴く様子。手前の取っ手の部分でぜんまいを回すと、レコードを置いたターンテーブルが回り、そこに針をゆっくり落とすと音が出るという作り。1957年のリトル・リチャードの「Lucille」を再生中。爆音。

レコードというのは回転速度による種類があり、主に
78回転
45回転
33回転
の3種の回転速度があります。

78回転は、初期のレコードの速度で、回転数が速く、一曲程しか収録されていない1960年ごろまで生産されていたもの。
45回転は、ドーナツ盤、シングル盤と言われるもので、回転速度が少しゆったりで、1960年代〜1990年代初頭に生産されたレコードの主流のようなもの。
33回転は、主にアルバムなどに用いられ、複数曲収録することができ、45回転よりもゆっくりとした回転。

ここ数年で、シティポップや昭和の音楽の人気などで、レコードの普及率が高くなり、現在のミュージシャンでもレコード(45回転盤が主流)で新曲を発売したりしています。
レコードプレーヤーも多く発売されていて人気の高さが伺えます。
しかし、近年のレコードプレーヤーには45回転、33回転しか再生速度が無いのです。
なぜかと言うと、78回転は1960年ごろまでの作成で、その当時の曲をレコードで聴く人があまりいないのと、78回転のレコードのコレクターもあまりいないというのが原因です。聴いていたとしても、1960年代からの45回転、33回転盤に何度もプレスされていたりするのでそちらの方で聴けてしまうからです。
簡潔に言うと、デジタルで聴けるからCDで聴かない、というような感じです。

レコードの元祖ともいえる78回転を蓄音器で聴くと、大迫力の音、目の前で聴いている様な生の音に近いスケールです。

特に私は、1950年代後半の初期のロックが好きで、ロックというジャンルを創った一番大好きなリトル・リチャードやエルヴィス・プレスリーなどを聴くのですが、まさに圧巻、感動です。

33回転盤のレコードたち。 特に上段の真ん中が名盤で、1957年のアルバム、リトル・リチャードの「HERE’S LITTLE RICHARD」。 彼がいなかったらビートルズもローリングストーンズもボブディランもデビッドボウイもいなかったし、現在の音楽も違うものになっていたといわれるほど偉大なミュージシャンです。 上段左から、はっぴいえんど「風街ろまん」、右が吉田拓郎「今はまだ人生を語らず」、下段左から、大滝詠一「A LONG VACATION」通称ロンバケ、小沢健二「LIFE」、YMO「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」。 一枚一枚解説していくととまらなくなるのでここまでにしておきます。。

▲33回転盤のレコードたち。
特に上段の真ん中が名盤で、1957年のアルバム、リトル・リチャードの「HERE’S LITTLE RICHARD」。彼がいなかったらビートルズもローリングストーンズもボブディランもデビッドボウイもいなかったし、現在の音楽も違うものになっていたといわれるほど偉大なミュージシャンです。

上段左から、はっぴいえんど「風街ろまん」、右が吉田拓郎「今はまだ人生を語らず」、下段左から、大滝詠一「A LONG VACATION」通称ロンバケ、小沢健二「LIFE」、YMO「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」。

一枚一枚解説していくととまらなくなるのでここまでにしておきます。。

レコードで聴く音楽は、デジタルでは再現できない、取り込めない細かな音があります。同じ曲を聴き比べても、一曲の印象が全く違ってきます。この箇所にこんな音が入っていたのか!とか、ここにこんなコーラスが!など、デジタルでは味わうことのできない新たな小さな発見があります。

それこそが、レコードの最大の魅力なのだと思います。

【ギャラリー黒川 黒川詠司】

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ギャラリー黒川

10:00 - 18:00
〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-4 京橋日英ビル1階
2F, 3-5-21 Kyobashi, Chuo-ku, Tokyo 104-0031
TEL:+813-6228-7888 
WEB:https://gallerykurokawa.com/
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「店主の小咄」では、アートなこの街で店を構える個性的な店主たちの寄稿文を掲載しています。美術のこと、まちのこと等、興味のある内容があればぜひ店主のお店を訪ねて話を聞いてみて下さい。

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