2017.3.19
アート観賞マナー講座 その3 作品の値段を聞くのは失礼?
※この記事では、ギャラリー・画廊・古美術店を総称して「ギャラリー」としています。また、「ギャラリー内」を「店内」を表記しています。
ギャラリー巡りに慣れない方にとって、わからないことや気になることが幾つかあると思います。特に気になるのがスタッフの目線、展示物の扱いやそのお値段についてではないでしょうか?気持ち良くギャラリー巡りをしていただくために、幾つかの疑問や不安に答えていきたいと思います。
値段を聞くのは失礼?
いいな、と思ったものがあると、やはり気になるのはそのお値段ですよね?キャプション(作品名、時代や値段が書かれた札)に書いてあればすぐにわかりますが、中には値段の表記がないものもあります。東京アートアンティークの期間中は、作品に値段を表記していることが多いのですが、値段がないものは、びっくりするほど高い!か、お客様と交渉中などの事情で値段を伏せていることがあります。また、幾らで購入したのか知られたくない、と考えるお客様も少なくないようです。そういったお客様との関わりが多いギャラリーでは、特別な作品はギャラリーの奥にしまってあったり、値段が伏せてあることもあります。もちろん、そういった作品はそもそも表に展示されていませんし、店内にあるものは売り物ですから、値段が書いていなくても遠慮なく聞いてみてください。
例えばですが、ジュエリー店に立ち寄って商品を見ていると、商品の下に隠れているのだけど、値段を聞くのが恐くて結局分からなかったということはありませんか? あるいは、思い切って店員さんに尋ねたら、想像以上に高価だったのでびっくりしてしまったことはありませんか?ですが、考えてみてください。もし、その値段が想像とあまり変わらなかったとしたら、あるいは、想像より安かったとしたら、あなたはどうしますか?結局は聞いてみないことにはわからないことなのです。
確かに値段を聞くということはその商品に興味があったり、購入を検討するという意思表示になるかとは思います。興味本位だけで聞くのは失礼ですよね?ただ、相場を知りたかったり、今後購入を検討するための参考にしたい場合は、そのことを伝えた上で遠慮なく聞いてみるといいでしょう。例え同様のものでも、作品の状態や希少性によって値段の差もありますから、必ずしもその値段だけを頼りに判断することはお勧めしません。ですが、なんとなく今後予算内で購入できるものなのかどうか判断する材料にはなるでしょう。
ただし、過去に売れた作品の値段を聞くのはタブーであることが多い
パンフレットに載っていたあの作品はいくらで売れたのかしら?なんて思うこともあるかもしれません。ギャラリーが問題ないと判断すれば教えてくれますが、購入していただいたお客様への配慮から、過去に売れた作品の値段を教えるのは基本的にはタブーとされています。ギャラリーによってそのスタンスはまちまちですので一概には言えませんが、そういうところが多いということは頭の片隅に置いておいてもいいかもしれません。
東京アートアンティークは初心者の方に美術品に慣れ親しんで人生を豊かに過ごしていただくことが目的です。気になる作品があって値段がわからない時は遠慮なく聞いてみてください。
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