2017.4.4
(花器編)生活の中に豊かさ(アート)を −−ワンランク上のおもてなし その2
前回に引き続き、生活の中で「使う」ことができる器類で少し変わったものをいくつかご紹介します。
前回の記事
今回は花の器をご紹介します。
最後には、
と題して、壁にかける美術作品をご紹介します。絵画作品はもちろんのこと、工夫次第で様々なものを壁にかけて楽しむことができます。また、壁にかけるだけでなく、立てかけたり、他のものと組み合わせたり、思っている以上に楽しみ方が豊富です。
花の器
お花を素敵に生けるというのは、なかなか難しいことではありますが、小スペースで個性を出せる器を意識して選んでいただきました。
「ギャラリーこちゅうきょ」では、なんと灰皿に花を生けて出していただきました。昔はどの家庭にもあった来客用の灰皿。中には陶器のものや立派なものも多いのでは。今は使われることが少なくなり、何か良い使い道がないかと考えていたそうで、小さめの花を生けて花器として利用してみたとのこと。お役目御免となった灰皿もお洒落な花器に生まれ変わり、喜んでいるようです。
こちらも灰皿を活用したものですが、お正月に使った梅の枝にちょうどよくカビがつき、取っておいたそうです。なるほど、そういう使い方もあるのですね。
こちらも同じく「ギャラリーこちゅうきょ」からですが、白い小さな蓋物の壺に可愛らしい白い花を生けていただきました。口が広いので中に剣山を入れて上手に花を立たせました。蓋も隣に飾ると花の周りの空間に統一感が出ます。
「前坂晴天堂」からは、染付の鉢に花を浮かべたもの。鉢は広がりがあり、大きな柄が華やかな雰囲気に。大きめの鉢も今ではあまり使われなくなってしまったものの一つかもしれません。食器ということにとらわれず、目線を変えることで、使い方の幅が広がるのではないでしょうか。
こちらは「木雞」の同じく鉢に生けたものですが、こちらは小さな鉢です。食卓に彩りを与えてくれますし、背の高い花瓶はちょっと…という時にはとても活用できそうです。
縄文土器に椿を生けていただいたのは「祥雲」。小さくても土器が力強いだけに、シンプルかつ負けない花を。
古美術品に花を生ける場合、古美品に花を生ける場合は、須恵器や銅器などの直接水を入れられるものもありますが、土器や漆などの直接水を入れられないものは、中に容器(オトシ)を入れて、とアドバイスをいただきました。竹や古いガラス瓶、もしくは職人や作家の方に金属や漆などでつくっていただくなど、美術品の雰囲気を損ねず、安全に生ける為に工夫をするそうです。また、考える向きに花を入れたい場合などは、花を留めることも必要ですね。「祥雲」では、花人の川瀬敏郎氏によるレクチャー「古器—選ぶ・生ける」では、このようなことに重点を置き、生けながら解説していただきます。花生けに興味のある方はぜひ聞きにいらしてください。(詳細はこちらをクリック)
「アートスペース繭」は、古民藝を専門に扱っているだけに、古い手ちょうな斧を花器として壁に掛けました。花を生けるには工夫が必要ですが、道具の素朴な風化を野の花と合わせて古民家風に。隣に置かれているのは、蟲を祓うお札の版木。
「Gallery Seek」では、若手作家、上中剛司の可愛い色合いが特徴の花器。クレヨンのように色がたくさん使われているので、どんな花でも楽しく良く合いそう。
「中長小西」の八木一夫作品は一つだけポツンと飾るのもかっこいいですが、シリーズになっている作家ものはオブジェのように並べて、そのうちの一つだけ生けてみたりすると物語が生まれて面白くなりそうです。
そして、こちらは同じ花器にドライフラワーにした実がついた枝を生けたもの。水、手入れ要らずで、ものぐささんにはもってこいですね(笑)。ですが、器とよく合っています。
こちらは「木雞」の小さな青磁と
デルフトの器に可愛らしいパンジー。
「井上オリエンタルアート」(下)京橋店の中国の青磁も同様(次の写真)に青磁には意外にも赤やピンクの洋花が良く合うようです。洋花を生けることで妖艶でどこかヨーロッパ的な趣が出て、洋風やモダンなインテリアにも良く合いそうです。
そして、「草友舎」からは、とても小さなローマンガラスの器。もちろん元々は器ではないのですが、見つけた時にこのようなイメージがひらめいたそうです。オブジェとしてもとても魅力的な小さな逸品です。
最後にもう一つ「木雞」から少し大きめの壺に豪快な白い椿。花がまだ蕾なのでボリュームがあってもバランス良く収まっています。少し華やかさを出したいけど派手すぎない感じが玄関などに良く合うかもしれません。
さて、皆さんいかがだったでしょうか?工夫次第で色々なものが花の器として活用できそうですね。ぜひ花器と花選びに役立ててください!
*器と花の詳細が知りたい方は、直接お店にお問い合わせください。
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