2020.3.28

京橋の新たなお立ち寄りスポット

アーティゾン美術館 平間理香 

この冊子を手に取られるということは、当然ながらアート好き。とすれば、今年の1月、アーティゾン美術館がオープンしたことはご存じでしょうし、すでにオープニング展をご覧いただいている方も多いのでは?と期待するのですが、いかがでしょう。

銀座と日本橋を結ぶ中央通りと、東京駅から東にのびる八重洲通りがクロスする京橋1丁目に、建物も館名も一新したアートスポットが誕生しました。(念のため、その前身はブリヂストン美術館です。)

東京アートアンティークがおこなわれる4月23日から25日の間、アーティゾン美術館ではオープンイヤー第2弾として、下の図のような展覧会を開催しています。新しい建物になって、展示室が3層になって、早速フロアごとに異なる展覧会を企画しました。

 

6階では、当館のコレクションと鴻池朋子がどのように共鳴するのか、鴻池が新たに生み出した作品を含め、ご覧いただきます。5階では、昨年ヴェネチアでおこなわれたビエンナーレ国際美術展の日本館展示を再現・アレンジするもので、ヴェネチアに飛ばずともその雰囲気を味わっていただける内容となっています。4階には2,800点のコレクションから選りすぐりの作品を展示するのですが、その中でも新たに収蔵したパウル・クレーの作品をまとめてご紹介。1枚のチケットで、3種の展覧会をお楽しみいただけるアーティゾン美術館です。

そして、アンティーク好きの方にぜひご覧いただきたいのが、飛青磁の名前でおなじみの《青磁鉄斑文瓶》。当館の飛青磁は、江戸時代に筑前の地を治めていた黒田家の伝来で、重要文化財に指定されているものです。その周りを飾るのは、因陀羅《禅機図断簡 丹霞焼仏図》(国宝)に、雪舟《四季山水図》(重要文化財)と、贅沢な顔ぶれとなっています。

これらが並ぶのは4階のコレクション・エリアなのですが、作品単体でなく、空間に身を置くようにじっくりと味わっていただければと思います。というのも、そんな鑑賞ができるようにと特別にしつらえた空間だからです。種明かしをすれば感動も薄れてしまうかもしれないので、ここでは口を結びましょう。4階展示室の入口を進むと、右手にぽっかりと真っ暗な空間が見えてきますので、どうぞそちらへ。時折、気付かずに通り過ぎてしまう方もいらっしゃるようですので、お見逃しなく。

トップへ
単語で探す
エリアで探す
ジャンルで探す
内容で探す