2023.12.9
『京橋アート・アベニュー』第6回 東京アートアンティーク広報が巡り合ったアート作品とは?
中央エフエムHello! Radio City「京橋アート・アベニュー」
第6回11月22日(水)放送
出演者 東京アンティーク実行委員会広報 小野瀬裕子様
ナビゲーター:JUMIさん
*本記事は中央エフエムさんに許可をいただき、収録内容を書き起こして編集したものです。
京橋のアート街と東京アートアンティークについて
JUMI
Hello! Radio City京橋ア―ト・アベニュー、皆さん中央区京橋には日本一のアート街があることをご存知ですか? いにしえから現代まで多彩なアートの魅力を発信する街。ここは150ものギャラリーが集う日本有数の美術街です。
江戸時代からアートと所縁が深く、美術館級のお宝から、ご家庭で楽しむアートまで何でも揃うアートの街なのです。そんな京橋にお店を構える美術のプロたちを月替わりでお招きして、アートの街の魅力を語っていただいています。
それでは京橋アート・アベニュー、始めてまいりましょう。
今日はスタジオに、東京アートアンティーク実行委員会、広報ご担当でいらっしゃる小野瀬さんをお招きしました。小野瀬さん、よろしくお願いいたします。
小野瀬
よろしくお願いします。
JUMI
さあ、2023年もあっという間にここまできました。
小野瀬
本当ですね。早いですね。
JUMI
早いですよね。今ご紹介しましたように小野瀬さんは、東京アートアンティークの実行委員会で広報担当なさっていますけれども、あっという間に来年の東京アートアンティークの準備に取り掛かる感じでしょうか?
小野瀬
そうなんです。
JUMI
早いですねー。
小野瀬
早いですね。
視聴者の方は「東京アート・アンティーク」をご存知でしょうか?
JUMI
このところ小野瀬さんたち実行委員会の方たちの頑張りもあって、ずいぶん皆さん、この京橋にアートを探しに来てくださってるみたいですよ。
小野瀬
ありがたいです。ありがとうございます。
JUMI
小野瀬さんに今日は、1人のアートファンとしてご自身がお持ちの作品のことや、この京橋のアート街を散策する楽しさなどを教えていただこうと思います。よろしくお願いいたします。
JUMI
さあ、まず最初に伺いたいのは、、、
小野瀬さんがこの京橋のアートアンティーク街で手に入れた、初めて買った作品はどんなものかを教えていただきたいです。
小野瀬
はい。作品っていうとちょっと大げさかもしれないんですけれども、前坂晴天堂さんという古伊万里、柿右衛門だとか、日本の古い鑑賞陶器というものを扱ってるお店があるのですが、東京アートアンティークの時期になると、普段使いの食器をお店にたくさん集めて販売してくれるんですね。普段はそういうものは使ってないですけども、その時期だけ古美術の入口として販売してくださるんです。
JUMI
なるほど。東京アート・アンティークの開催に合わせて、その時だけそういったものを出してくださるんですね。
小野瀬
そうなんです。その期間は人がいっぱいなのですが、私もその中に混じって、初めは1000円とか、そんな小さなお皿を買ってみようと思って。6、7年前に初めて買ってみたのが最初だと思います。
JUMI
なるほど。やっぱり目利きのプロの方が選んだ器ですから、安心して買えますよね。
小野瀬
私もすごく詳しいことはわからないのですが、いい物をそういう価格で置いてらっしゃると伺っていたので、安心して購入させていただきました。
JUMI
そうですよね。安心感があるんですよね。
JUMI
そしてこの京橋のアートアンティーク街、この街の特徴というのを、小野瀬さんご自身広報ご担当としてどんなふうに捉えてらっしゃいますか。
小野瀬
京橋は他の地域の古美術屋さんが集まってる地域と違って、本当に密集しています。
それがとても重要で、しかも一流どころと言われるギャラリーがたくさん集まっています。知れば知るほど、「ここってすごいお店だったんだ!」ということがわかったりして、そこに気楽に入ることができるってなかなかないですよね。
あまり知識がなくても、何かそういうものに触れてみたいとか、手に取ってみたいと思っている場合に、色々なお店を試すことができるというのはやはり京橋の特徴だと思います。
JUMI
以前からお話してますけれども、ここ京橋には紀元前3000年ぐらいのものから現代のものまで5000年近くのものがあるわけですよね。
それをもうなんか、ハシゴしてみることができる、という贅沢な時間を過ごせます。
小野瀬
そうなんですよ。だからお店のことを知らなくても、ちょっと入ってみようと思えるところが面白いですね。
アート街のギャラリーで購入した北斎漫画の龍
JUMI
今日はスタジオに小野瀬さんが、これはわりと最近お買いになったという素敵な額装されているものをお持ちくださったんで、後でブログに写真を載せたいと思うんですが、まずどんな作品なのかご紹介いただいてよろしいでしょうか。
小野瀬
はい。これはですね、北斎漫画の龍の絵なのですが、本当にもう1ヶ月ほど前に浦上蒼穹堂さんというお店から購入したもので、オーナーの浦上さんは世界一の北斎漫画のコレクターです。その浦上さんが厳選して集めてらっしゃる北斎漫画の一つで、来年の干支ということと、私も辰年なので何か辰のものが欲しいなと思っていました。たまたまこれが目に入ってこれだなと思って購入しました。
JUMI
なるほど。ということは今私達の手元にあるのは、北斎漫画の一つなんですね。
小野瀬
そうなんですよ。
JUMI
北斎漫画って本当に相撲の技や型などがなんかコマ送りみたいになってる。本当にユニークなものばかりですけれども、こういう龍の版画などもある意味、お手本的なもので素敵ですね。
小野瀬
そうなんですよ。色も2色で刷られているものですし、小さいものなのですが、でもやっぱり当時の北斎が手がけたものが家にあるってすごいですよね。(笑)
JUMI
すごい!すごい!
小野瀬
自分で買ってみて、これがあるんだ!と不思議な感覚で。
JUMI
何か見惚れますよね。また額装も多分、浦上蒼穹堂さんがやってくださってるってことで、本当にシックにピタッと収まって、これがやっぱりプロなせる技ですね。本当にそういうものをコツコツコツコツ集めていくこと、1年に1個でもコツコツ集めていくことができるのがこの京橋の街のいいところだろうというふうに思うんです。そんな中で一方、例えば小野瀬さんがこういうアンティーク街を回ってみて、困っちゃったこととかってありますか?
小野瀬
困ったことは、そうですね。やはり自分自身に知識がないことでしょうか?
私も古美術というと、本当に初めは古いものというイメージしかなかったですね。
あと、すごく高価なものだったら触って何か粗相があると困るなという怖さがありました。そういう意味で知識がないことに困っていました。
JUMI
なるほど。例えば知識がないとしても、そのそれぞれのご店主さんがすごく丁寧に、いやこれはねって、それこそさっき言った紀元前3000年ぐらいのものでも、この時代のものはね、、言って、ちょっと見てごらんって、本当にすぐ10センチぐらいのとこで見せてもらえたりするわけじゃないですか。
小野瀬
そうですね。素直な感想を述べると、向こうも素直に見てくれてるな、と思ってきちんと説明してくださるんですよね。こちらのレベルもそれでわかるので、それに合わせて説明してくださいます。「何も知らないなコイツ」と嫌な顔をするのではなく、知らないのは当たり前という感覚で接してくれたことでとても気が楽になりました。
JUMI
そうですよね。ほんのちょっとの勇気っていうんですかね。扉を開けるとかエレベーターに乗ってみるとかね。ビルの上の方にあるね、画廊さんとかもありますからね。そうやって考えるとちょっとの勇気で、もう自分の中に無限の世界が広がるわけですから、これは行かない手はないですよね。
小野瀬
そうですね。
京橋アンティーク街の魅力
JUMI
そういうふうに考えると、小野瀬さんも東京アートアンティーク実行委員会に関わるようになって、いろいろな気づきがあったと思うんですけど、いかがでしょう?
小野瀬
気づきですか、そうですね。気づきというと、やはり美術品は美術館でただ見るというのと、実際に値札が付いている状態で見るというのは全然違うなって。あと手に取ってみるとか。触らせてくれる方もいらっしゃいます。
ものすごく高価なものでも、きちんと断りを入れれば、「触ってごらんなさい。触らないとわからないよ」と言ってくださる方もいて。貴重な体験ができていると思いますし、すごく生々しいんですよね。作品が生々しく迫ってくるというか、今まで見えてこなかったこともたくさんあって、触ったり間近で見ることで五感を通して入ってくるので、経験としてすごく残るんですよね。
JUMI
やはり重さですね、体感できるとか質感を感じられるとか、これってガラス越しじゃ絶対あり得ないことですよね。
小野瀬
そうなんですよ。ちょっと遠い存在としてしか見てないから、ディテールが入ってこない部分もあって。
JUMI
そうですね。それがこの京橋の街のアート街に来ていただくと実際に体感できちゃうんですっていう、そんなところは世界にもあまりないんじゃないでしょうかね。
小野瀬
そうですね。他の国にもそういうギャラリー街があるのかもしれないですけど、これだけ質の高いものが集まっているというのは無いみたいですね。
JUMI
そうですよね。本当にぜひここ京橋のアートアンティーク街を皆さんに知っていただいて、たくさん来ていただきたいですし、今のうちにご店主たちと仲良くなっておくと、来年の東京アートアンティークの時に、もうまさに「今日ね、こんなものあるよ」って教えてもらえちゃったりするかもしれませんからね。今のうちからコツコツ、通いたいですね。
それでは最後になりますけれども、小野瀬さんからぜひリスナーの皆さんにメッセージをお願いできますか。
小野瀬
美術というと、敷居が高いように思うかもしれませんが、本当に普段の生活に取り入れていただくと全く生活が変わります。心が豊かになるので、ぜひ、小さいものでも、手始めにお皿一つでもいいので手に取っていただきたいなと思います。
JUMI
ありがとうございました。というわけで、今回「京橋アートアベニュー」は東京アートアンティーク実行委員会で広報をご担当なさっている小野瀬さんにお越しいただきました。小野瀬さん、ありがとうございましたございました。
小野瀬
ありがとうございました。
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