2025.4.5
『京橋アート・アベニュー』第20回 京橋の猫たちに導かれてスタートしたアートギャラリー、メゾンドネコ

中央エフエムHello! Radio City「京橋アート・アベニュー」
第20回 2月28日(金)放送
出演者 メゾンドネコ 平きょうこさん
ナビゲーター:JUMIさん
*本記事は中央エフエムさんに許可をいただき、収録内容を書き起こして編集したものです。
同じ住所を持つ3つのギャラリー
JUMI
ハローラジオシティ京橋アートアベニュー。皆さん、中央区京橋には日本一のアート街があることご存知ですか? 古から現代まで多彩なアートの魅力を発信する街なのです。ここは150ものギャラリーが集う日本有数の美術街。江戸時代からアートとゆかりが深く美術館級のお宝からご家庭で楽しむアートまで何でも揃うアートの街。京橋の世界に誇れる古美術街の魅力とそこにお店を構えるご店主にアートの魅力を教えていただくコーナーです。今回スタジオにお越しいただいたのはメゾンドネコの平きょうこさんです。平さんよろしくお願い致します。
平
よろしくお願い致します。
JUMI
平さんのお店がどちらにあるのかというところから教えていただきたいのですが、ご住所まで詳しく教えていただいてよろしいでしょうか?
平
はいわかりました。中央区京橋の1-6-14 佐伯ビルの2階になります。
JUMI
京橋1-6-14!? これをお聞きになった皆さんの中で、あら? と思われた方はかなり京橋の古美術、そしてアート街通だと思います。さて平さん、なぜこの住所なのかも教えていただいてよろしいでしょうか?
平
大家さんは昔の住所のままになっているみたいなことを言っていましたけれども、角のお店も同じ住所なのです。だからお客様が間違えることもあって。
JUMI
そうなんですね!
平
うちの建物にも3軒のお店が入っています。
JUMI
確かに、どの店がピンポイントで1の6の14なのかということですね! 今3軒お店があるとおっしゃっていただきましたが、3軒ともギャラリーなんですよね?
平
正確に言えば2軒は古美術。
JUMI
そして平さんが…
平
私の方がアートギャラリーですね。
昭和の古き良き下町情緒を残す京橋人情
JUMI
京橋という街はいかがですか? 平さんにとってどんな街なのでしょう。
平
そうですね、下町の感じがしますね。
人のつながりがまだまだ多いですし、古い建物がどんどん壊されてはいくんですけれどもまだ残っておりまして、町内会とかいろいろなイベントとか、お祭りが盛んで。私はそういうのがすごく好きなものですから。あとやっぱり江戸の匂いも残っていると思います。
JUMI
そうですよね。平さんのおっしゃっている内容って昭和の古き良き時代というイメージがありますよね。向こう三軒両隣はみんな知っていて何か足りないものがあったら借りちゃうみたいな。
平
ありますよね。
猫に導かれて開いたアートギャラリー誕生の秘密
JUMI
江戸の昔からそういったことがあったと思うのですが、そこにお店を構えられたのは、たまたまですか?
平
はい。いろんな意味でたまたまで、いろんな意味で偶然が重なって…。
JUMI
どんな偶然なのでしょう?
平
猫がキーワードとなりますが、猫について行ったら1階の木雞(モッケイ)さんと、まずはお友達になりまして。
JUMI
そこの猫さんと最初にお友達になったのですね? 木雞さんよりも猫ちゃんと先にお友達になって、そしてその猫が行く方向に…
平
私がついていったら…
JUMI
木雞さんにたどり着いたということですね?! そして木雞さんは古美術をなさっています。でもそこで、たまたまこの京橋で平さんはお店をやろうと思われたわけですか?
平
木雞さんといろいろお話しをしていたら、上が空いていますよ、と教えてくださって。それで上を使ったら? みたいな感じで話が進みまして。私は何をするということはあまり決めていなかったのですけれど。その時の大家さんは佐伯さんとおっしゃるのですけど、とってもいい方で。ご相談をしましたら私に貸してくださることになったんですね。
JUMI
その時に平さんはどんなアートを扱うイメージがおありになったのでしょうか?
平
何でしょうね。実はあまり深く考えないんですよね(笑)
JUMI
大胆!
平
その頃に出会っていた作家さんがいまして、その作家さんがまたものすごく親切な方で、いろいろな人を紹介してくれたのです。それで自転車創業的ではございますが、回り始めました。でも回り始めると、作家さんや来るお客さんもみんないい方多いんですよ。実はでこういう作家さんいますよとか、いろいろ情報も教えてくれて。
一人でやっているので、情報がたくさん入ってこないものですから、よそからの情報がすごく大事ですし、なんせ年齢が年齢なのでインターネットをうまく活用できなかったんですよね。今はだいぶ慣れましたけれども、その当時は人のおかげで回っているという感じでしたね。
JUMI
京橋という街はそういう風に巻き込んで人をこうして呼び寄せる力があるかもしれないですね。
平
はい。私は本当にそう思いました。出身は東北ですけれども、やはり人のつながりや人情も含めて違和感がないです。
JUMI
そうでしたか。それはすごく嬉しいです。京橋の街が居心地いいということですものね。
平
そうです。すごく居心地がいいです。
昭和の風景を切り取る「りゅうざぶ」作品
JUMI
さあ、そんな中で平さんが今日スタジオにお持ちいただいた作品についても少しご紹介いただきたいのですが、お願いできますでしょうか?
平
はい。今日お持ちしたのは、私のギャラリーをメインに毎回展示をしてくださる「りゅうざぶ」という名前の作家さんです。
JUMI
「りゅうざぶろう」ではないのですね?((笑))
平
じゃないのです。
JUMI
どんな作家さんなのですか?
平
ご本人はやはりすごい猫が好きで、あと昭和の原風景も大好きで実際に長野の山の中に住んでらっしゃるんです。
JUMI
ご自身がですか?
平
はい。すごく素敵なお家に住んでらして猫さんをたくさん飼っています。そういう方でとにかく作り込みがすごい作家さんなのです。
JUMI
今日はスタジオにお持ちいただいた立体作品がありまして。まさにこの建築、お家というかお店が再現されているわけですけれども、大きさで言うとどのくらいでしょうか?
平
高さが30センチ弱ですね。横が30センチから40くらい。そして奥行きもだいたい30センチ弱くらい。
JUMI
その中に見事に昭和のお店の軒先と言っていいのか、ぜひ平さんからラジオで恐縮なんですが解説をお願いしたいのですが。
平
そうですね、実はこれは1階の私のお友達の骨董屋さんの木雞さんを、もし丸々一軒のお店だったらどんなだろうというのが始まりで再現したものなのです。
JUMI
なるほどあの木雞さんのところですか。
平
猫ちゃんが自由自在に歩いていて、そこをうまく表現してあります。登場する猫ちゃんはその当時木雞さんにいた子を中心に、あと実は京橋の路地というのは保護猫意識がすごくしっかりしていまして、皆さん面倒を見ているんですね。その歴代の京橋界隈にいた猫さんがみんな登場しています。さらに店の中の方は、骨董店の置物、売り物の壺とかお皿とか、箱に入っているものとかそれが見事に細かく再現してあります。
JUMI
本当に渋みが増しているというか、木の質感もとてもよく表現されてますよね。
平
ありがとうございます。
JUMI
こういう作品がお家にポンってあったらすごく和みますよね。もう登場猫ちゃんが(登場人物じゃないですよ)登場猫がすごくたくさんいるのですけれど、全部名前がついてるのかしら?
平
歴代なので、木雞さんは全部ご存知ですね。私は全部覚えられませんでしたが。みんな一匹一匹特徴ありますからね。
JUMI
そうですね。本当に見事に再現されているものですけれども、この作家さんはお作りになったものを写真集としても残しているということで、この写真集はカメラマンの方がお取りになったのですか?
平
そうなんです。いつも頼んでいるプロの方がいまして。山口規子さんという有名なカメラマンですね。
JUMI
写真集のタイトルに「密かにたくましく」って書いてあります。ここ京橋にいる猫たちはまさにこの言葉がぴったりですよね。本当に密やかなのだけれど頼もしく、たくましく生きているわけです。しかも人と共存していて。
こうした作品をメゾンドネコさんのアートギャラリーではいつも置いてらっしゃるということでしょうか?
平
そうですね 私のギャラリーの基本は美術・アートを身近なものに、というのがコンセプトです。ですので、扱っている作品や展示も価格帯はそれなりに皆様の手の届きやすい価格帯が占めていますね。
テーマは「生きとし生けるもの」で、そのテーマに沿った展示会をしております。ただ「メゾンドネコ」という名前と猫好きな私が運営しているので、作家も猫好きな人多くて猫を扱っている展示会も多いですね。
JUMI
なるほど。
なかなか今は大都会だと猫を飼うこともままならない方もいらっしゃると思うんですが、ぜひメゾンドネコさんで猫を愛でていただいて、一緒にご自身のお家にも置いていただけるといいなと思いますね。
平
そうですね。猫さんだけでなく、他のものたちにも癒されて欲しいです。
JUMI
これから展示としてはどんな企画展が待っているのかということも含めてですがいかがでしょうか?
平
一番はギャラリーでの展覧会が多いですが、去年からご縁をいただきまして、上野の松坂屋さんの本館7階に美術のギャラリーが3つあるんですけれども、そこで展示することもあります。
JUMI
もしよろしければぜひ京橋のメゾンドネコさんはもちろんですが、松坂屋上野店7階の方にもお越しいただけるといいですね。展示されている期間は平さんも在廊なさっていると思いますのでぜひ皆さんいらしていただきたいと思います。
平
はい、いらしてください。
JUMI
というわけで今日は京橋1-6-14にありますメゾンドネコからご店主の平きょうこさんにお越しいただきました。平さんありがとうございました。
平
どうもありがとうございました
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http://fm840.jp/blog/hello/2025/02/28/36823
メゾンドネコ
https://www.tokyoartantiques.com/gallery/maison-de-neko/