2024.11.7

『京橋アート・アベニュー』第16回 若手ギャラリストRODGALLERYの挑戦 

中央エフエムHello! Radio City「京橋アート・アベニュー」
第16回 10月25日(金)放送
出演者 RODGALLERY 藤田つぐみさん 
ナビゲーター:JUMIさん 

*本記事は中央エフエムさんに許可をいただき、収録内容を書き起こして編集したものです。


日本一のアート街、京橋の新しい風


JUMI

皆さん、中央区京橋には、日本一のアート街があることをご存知ですか?古から現代まで、多彩なアートの魅力を発信する街。ここは150ものギャラリーが集う、日本有数の美術街なんです。美術館級のお宝からご家庭で楽しむアートまで、何でも揃うアートの街、京橋。そんな京橋に店を構える美術のプロたちをお招きして、この街の魅力を語っていただきます。

今日スタジオにお招きしたのは、RODGALLERYのディレクターでいらっしゃる藤田さんです。藤田さんご自身はお若いんですけれども、この京橋という街は、脈々とアンティークや古美術として繋がってきている街ですよね。私はRODGALLERYの登場が活気というか新鮮な印象をもたらしたと思っているのですが、藤田さんはこの街は以前からご存知でしたか?

 
藤田
今は京都に住んでいるんですけど、その前は東京にいたので京橋や銀座、その界隈でギャラリーを見ることはありました。やはり、銀座などに比べて、古い骨董が多いなというイメージは持っていました。
 

JUMI
ご自身はその骨董には元々触れる機会が多かったということもあるのでしょうか?
 

藤田
骨董自体に触れる機会はあまりなかったのですが、父が古いおもちゃを扱う仕事をしていたので、戦前戦後の昭和のおもちゃは身近にありました。ですが、ここまで古い物というのは身近にはありませんでした。

 
現役アーティストがディレクションするRODGALLERY


JUMI
RODGALLERYはどんなギャラリーなのでしょうか?


藤田
RODGALLERYは昨年オープンしたばかりで、まだ1年少しなのですが、元々は並木画廊という50年ほど続く貸し画廊だったんですね。そのオーナーが変わって、新たに企画画廊として運営していくことになった時にお話をいただきました。今は私がディレクションして、運営の川本と一緒に毎月作品を展示しております。
 
JUMI
周りの皆さん、どんな風におっしゃっていたんですか? 京橋にギャラリーを出すというのは。


藤田
そうですね。最初にオープンする時に色んな作家さんに声をかけて、こういったギャラリーをオープンするので作品展示させていただけませんか? というアナウンスをした時には、「なんで京橋なんですか?」という声をいくつか聞きました。


JUMI
なんとお答えになったのですか?


藤田
たまたまというか、縁があった場所が京橋だったということと、今、TODA BUILDINGさんとか、現代美術の方でもこの街がどんどん活気づいているということを、私も前情報としてもっていたので、今すごく変化している街なんですよということをお伝えしました。


意味深い名前の由来

JUMI
RODという名前には、どういう意味があるのですか?

藤田
RODは、ダウジング・ロッドという、昔、水道局などでも実際に使われていた金属のアンテナのような棒のことです。水脈や無くし物などを探知するための道具なんです。2本のアンテナのような物を手で持って、例えば無くし物を探している時に、その方向にアンテナが動くんです。

その意味で、素敵な作品を探していくという意味と、作品自体が水脈のような意味性を持っていて、表面的なものだけではなく、メッセージや意味を含んでいる作品をRODGALLERYが探知していくという思いを込めて名付けました。


お客様の反応と展示作品


JUMI
いらっしゃるお客様たちはどんな反応ですか?
 
藤田
お客様たちも結構楽しんでいらっしゃって、まだ日の浅いギャラリーではあるんですけど、毎月来てくださる方も少しずつ増えてきて、ありがたいことだなと思っています。 

JUMI
ギャラリーを開けている曜日、時間を教えていただいていいですか?

藤田
ギャラリーが開いているのは金曜日から月曜日で、午前11時から午後7時までがオープン時間になってます。火曜日から木曜日は開いてないんです。

JUMI
だから遭遇できないんだ!(笑) 今度金曜日に行きます。
今日は藤田さんご自身の作品もお持ちいただきましたね。
 

藤田
はい。今回RODGALLERYの紹介も兼ねて出させていただいているんですが、私自身、作品を子供の頃から作っています。たまたま今回お話いただいたのが私の展示中だったので、ちょっと自分の作品で恥ずかしいんですが、持ってこさせていただきました。 

この作品は、コーラル系のオレンジからピンクへのグラデーションで描かれた砂漠の中に、カクテルグラスがあり、その中に羊が描かれているものです。最近、宗教的なモチーフを取り入れていて、これは供え物のようなイメージで描いています。祈りが蒸発していくようなイメージとアルコールが私の中で結びついて、マティーニに入っているマラスキーノチェリーを羊の心臓に見立て、ピックに刺さっているような表現をしています。

JUMI
こうやって直に作家さんから内容についてお話いただくと、全く視点が変わって見えて、すごくいいですね。
何というタイトルをおつけになったのですか?
 

藤田
マラスキーノのハートっていうので、マラスキーノチェリーにかけて、シロップ漬けの心臓という意味のタイトルにしてます。
 

JUMI
羊がどうなっているのだろう? と思いながら、作品に思わず近づいて見てしまう感じですよね。ガラス越しではなく、近いところで見る事ができますよね。


藤田
そうですね。ギャラリーは、美術館に比べてそうしたところが身近ですよね。


RODGALLERYの新しい取り組みと今後の展開

JUMI
RODGALLERYでは、今は藤田さんの作品の展示ということですが、それ以外にも作家さんはどんどん変わっていくのでしょうか?


藤田

毎月展示が変わっていて、個展の時もありますし、企画展という形でテーマを決めて展示を行うこともあります。例えば来月は「ニューフィクション」というテーマで、小川泰さんと廣島新吉さんの2人展を予定しています。そこでは落語研究会の学生さんも来て、皆で作り話で空間を満たすようなイベントも企画しています。
 

JUMI
面白そうですね。その若い世代の方たちの発想を、私たちも吸収させて頂きたいし、お互いに分かる部分や教えあっていく部分など、色々な物が混ざり合っていくのがRODGALLERYかもしれないですね。
 

藤田
今開催している私の個展は21日までの予定だったのですが、展示を延期して25日、26日もオープンしていますので、ぜひラジオをお聞きの方は足を運んでいただければと思います。
また、今月からは私と運営の川本で、RODGALLERYの展示について語るコーナーをホームページにアップする予定です。美術館やギャラリーに行くことに敷居の高さを感じる方も多いと思いますので、ギャラリーの休憩室のような気軽な感じで、作品やそれにまつわる話をしていきたいと思っています。
 

JUMI
ぜひホームページをチェックしたいですね。ありがとうございました。というわけで、今日は京橋にありますRODGALLERYから、ディレクターの藤田さんにお越しいただきました。
藤田さん、またご出演ください。ありがとうございました。
 

藤田
ありがとうございました。
 
 
 
中央エフエム Hello! Radio City ブログでもご覧いただけます!
http://fm840.jp/blog/hello/2024/10
 
RODGALLERY
https://www.tokyoartantiques.com/gallery/rod-gallery/

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