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小林繭乃 個展『愉快な深淵』

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四季彩舎

小林繭乃は日本画の技法を駆使しながら、日常生活や喜怒哀楽、記憶の中から生まれるさまざまな感情を、動物やモンスターに投影し表現しています。

彼女の作品には、現実の動物から想像上の生物まで多様なキャラクターが登場し、それぞれが人間の抱える感情や内面の問題を映し出しています。これまでに吸収してきた文化や大切にしている価値観を作品に織り込み、独自の世界観を築き上げている点が特徴です。

今回の展覧会「愉快な深淵」は、「深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」(ニーチェ)という言葉に着想を得て、約15点の新作を展示いたします。

小林の描くモンスターたちは、彼女自身の内面を映し出す存在であり、心の深い部分(深淵)を象徴しています。これらのキャラクターたちは、多様な感情から生まれたものでありながら、ネガティブなものではなく、むしろ愉快で愛らしい「深淵の住人たち」として表現されています。

鑑賞者もまた、画面の中からこちらを覗き返す「深淵の住人たち」の視線を感じ、彼らと対話するような感覚を楽しんでいただければと思います。この相互の視線の中で、観る者もまた、深淵の住人たちと同じように愉快で心躍るひとときを過ごしていただけるでしょう。
   
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。ぜひ、小林繭乃の独創的な世界観をお楽しみください
  

 
   
アーティストステートメント

 

「私は日常生活で触れるさまざまな感情を、動物やモンスターの形で表現している。日本画の技法を使いながら、現実から少し外れた、奇妙で愉快なキャラクターたちを描くことで、人間の内面や葛藤を可視化することを目指しており、これらのモンスターたちは、私自身の心の深い部分を象徴する存在である。彼らは一見すると異形の者だが、その内には愛らしさやユーモアを秘めているのだ。
私にとって、この「深淵の住人たち」は、私たちの感情の深層を反映しているが、それは暗いものではなく、明るく愉快な一面も持っている。鑑賞者が彼らを見つめる中で、私たち自身が抱える感情や問題と向き合う瞬間が生まれればと願っている。」
 
— 小林繭乃
 


 

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