安倍安人展「薪を割る」
加島美術
2025年3月20日(木・祝)から3月30日(日)にかけて、備前焼の鬼才・安倍安人の個展「薪を割る」を開催いたします。
安倍安人は1938年大阪に生まれ、1959年より洋画家・宮本三郎に師事し、画家の道を歩み始めました。その後、1972年に陶芸へ転向し、以降、古備前の研究と多様な技法の探求を続け、独自の造形表現《彩色備前》を確立。伝統を深く理解しながらも、独自の審美眼をもって生み出された新たな表現は、国内外で高く評価され、アメリカ・メトロポリタン美術館や台湾・故宮博物院をはじめとする多くの美術館にも収蔵されています。
本展では、富士山や動物、昆虫、文字などを施し今なお進化を続ける《彩色備前》をはじめ、桃山茶陶の趣を湛えた備前、さらに、作家活動の原点である油彩画を含む44点を展示いたします。伝統と革新が融合する安倍安人の世界を、ぜひご堪能ください。
【作家ステートメント】
「薪を割る」
私の窯焚きは、薪割りから始まる。薪は、松でも杉でも檜でも針葉樹なら何でもよい。薪は業者から粗割りを仕入れる。粗割りだと焚き上げは出来るが、燃料効率をよくするため、小割を自分でやる。ただ松以外の樹木は、乾燥と共にだんだんと固くなって、マサカリでは割れなくなる。薪割りにはコツがある。薪の右カドを左目で一瞬見て、あとは何も考えずマサカリを振り下ろすと真ん中にマサカリは当たる。何か頭に考えが浮かんだとたんマサカリははずれる。私は成功率95%以上の自信がある。
― 安倍安人
【作家プロフィール】
1938 年大阪市に生まれ、21 歳から現代美術研究所・宮本三郎教室に学ぶ。30 代から本格的に陶芸の道に入り、岡山県瀬戸内市牛窓町に築窯。1996 年、ニューヨークにて海外での初個展「安倍安人展」を開催。その後、フランスでの個展「ANJIN ABE」展(2002 年、パリ)開催、アメリカ「Arts of Pacific Asia Show」(2008 年、サンフランシスコ)出品など国外にも活躍の領域を広げる。また、島根デザイン専門学校設立時に陶芸部門の企画を担当。積極的に学術講演を行うなど、後進の育成と陶芸の普及にも力を注いでいる。
国際陶芸アカデミー会員、I.A.C( 国際陶芸アカデミー )会員、古田織部美術館「織部賞」受賞
作家Web サイト:http://www.abe-anjin.com/
【PUBLIC COLLECTIONS】
[ 日本 ]
愛媛県立美術館、沼津御用邸100 周年記念公園(茶室什器:茶入、花入、水指、茶碗等)、島根県横田町芸術の森モニュメント「コック ‘95」、笠間日動美術館、京都国立近代美術館(2 点収蔵)、西条松平神社 宝物館、絲原記念館、ミウラート・ヴィレッジ(三浦美術館)、大宰府天満宮宝物殿、加納美術館、兵庫陶芸美術館、緑ヶ丘美術館、古田織部美術館、中島美術館
[ 海外 ]
アリアナ美術館(スイス・2 点収蔵)、ミント美術館(アメリカ)、メトロポリタン美術館(アメリカ・3 点収蔵)、Museum of Decorative Arts and Design(ラトビア)、Asian Art Museum(アメリカ/ サンフランシスコ・2 点収蔵)、アトリエ・ダール・ド・フランス(フランス)、ニューメキシコ美術館(アメリカ)、アート & デザイン国立大学(アイルランド)、故宮博物院(台湾・3 点収蔵)、フィッツウィリアム美術館(イギリス)、新北市立鶯歌陶瓷博物館(台湾)
【カタログ無料配布】
出品作品を掲載したカタログを無料で配布いたします。ご希望の方は、問い合わせフォームよりお申し込みください。
問い合わせフォーム:https://www.kashima-arts.co.jp/contact/
*数に限りがございますので、在庫がなくなり次第終了とさせていただきます。あらかじめご了承ください。